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子どもたちはとても興味を示してくれ、一度授業で教えると休み時間に自分で挑戦してみて、よく質問しにきていた。全校朝会でツルを折ってみせた女の子は、初めて教えた時には正直きれいなツルは折れていなかったが、朝会では400人の前できれいなツルを完成させた。一生懸命練習したんだろうと思い、嬉しかった。
この後もかなり基本的なものだけだが、各クラスでいろいろな折り紙を教えた。風船、おしゃべりカラス、羽の動く鳥、サンタクロース、ペ―パークラッカー。。。ペーパークラッカー |
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は特に男の子に人気があった。新聞紙などで作り、それを思い切り振り下ろすとパンっと大きな音がなるやつだ。このペーパークラッカーはインフルエンザのごとく学校中に広まったが、そこら中でバンバン、バンバンうるさいため、まもなく禁止されることになる。 |
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ねこバスのバッジ
私が大切にしている子どもからもらったものの中にとなりのトトロのねこバスの手づくりのバッジがある― 私の筆箱には妹からもらったとなりのトトロのストラップがついている。ねこバスにトトロが乗っているやつだ。これに興味を示した一人の女の子がいた。この子にトトロのことを説明すると紙と鉛筆を持ってきて、私にトトロとねこバスの絵をかいてくれと頼んできた。絵の才能はほんの少しもなかったが、なんとかかいてあげるとその子はその日の夜家で私の絵をまねして練習し、次の日上手に描けたトトロとねこバスを嬉しそうにみせてくれた。
あと2,3日で私もこの学校を離れなければならないとき、またその子にとっても卒業の直前という時に、厚紙で作ったねこバスのバッジを二つ見せてくれ、ひとつは自分のでもう一つはダイスケのだと言って、一つを私にくれた。
家探し
一つ目の学校でのボランティアも終わりに近づいてきた頃、私はホームステイ先を変えたくなり、どうやって新しい家を探そうかと考えた結果、学校でnews letter にそれについてのことをのせてもらおうと決めた。まず下書きを書いて、一番仲の良かった先生のところに持っていき英語を直してもらい、それをnews
letterにのせてもらった。最終的には教頭先生の紹介で学校のすぐ近くの家に住ませてもらうことになった。
この家にはその後7週間くらい住んだが、離れた後もちょくちょく遊びにいくことになる。 |
水泳
NZの夏はあんまり暑くはない、と日本の蒸し暑さを知っている私は思う。水泳をするにはちょっと寒すぎるやろうと思っている私の前で、子どもたちは元気にプールで泳いだ。ここのプールは屋内プールで一見すると温水プールっぽいのだが、水はばっちり |
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冷たいのである。そんなことは子どもには関係ないのだが十年前(くらい)に子どもだった私には、すごく関係あるわけで。それでも泳いでみた。やってみるとちょっと楽しかった。
ハウス
ハリーポッターを見られた方は分かりやすいかもしれないが、この学校は学校の児童全員を四つのハウスに分けている。いいことをした子にはハウスポイントが与えられ、悪いことをしてしまった子のハウスからは点数がひかれる。そして毎週金曜の全校集会の時にハウスポイントを合計し、その週の順位が発表される。
日本語
私はこの学校では日本のことを教えることはたくさんあった。とくに決まった時間にやるわけではなく、先生から頼まれた時にちょっとやったりすることが多かった。文化的なことを教えることも多かったが、日本語を教えることも多かった。日本語を教えると言っても文法などを教えるわけではなく、あいさつ程度のもの。また子ども一人ひとりの名前をカタカナで書いてあげると、すごく喜んだ。一つのクラスでは自分の名前をカタカナで練習して、最後に画用紙に清書をさせた。日本語というアルファベットを使わない言語は子どもたちには新鮮なようだった。あるクラスでは、英語で俳句を作る活動をしたこともあった。
それとこれは休み時間中の話だが、一人の高学年の男の子が
「 I Love You って日本語でどう言うの?」
と聞いてきた。私は「あなたが好きです」と教えたように思う。ただその子がうまく発音できないため、何度もその子と
「あなたが好きです」「アナタガスキデス」「あなたが好きです」「アナタガスキデス」
「あなたが好きです」「アナタガスキデス」「あなたが好きです」「アナタガスキデス」・・・
と言い合い続けることになった。相手が子どもとはいえ、男と真面目な顔でこれを言い合っているのだ。かなりの苦労を伴う教育活動である。その子は忘れると何度も繰り返し聞きに来て、その度に私を苦しめ、最後には完璧に言えるようになった。
ここまで苦労して教えたのだ。いつか、彼にとってそれが役に立つ日が来てほしいものである。 |
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